サンディエゴ・パルセイロ・レディース 2018年シーズン終了

6月30日: LA Galaxy SD戦 - 試合後の集合写真
6月30日: LA Galaxy SD戦 - 試合後の集合写真
6月16日: San Diego SeaLions戦 - #1 Kate Hart
6月16日: San Diego SeaLions戦 - #1 Kate Hart

2018年6月末、サンディエゴ・パルセイロ・レディースの初シーズンが無事終了した。

カリフォルニア州サンディエゴを拠点に日本、アメリカ、世界を繋ぐ架け橋となり、女子サッカー選手へ夢や教育、人間形成の場を提供する事を目標に活動し、未来を担う女子サッカー選手達がアスリートとしてのみならず、一人の人間として自身の足で大地を踏みしめて歩いて行ける「人創り」を進めるプロジェクトとしての第一歩目であった。

 

シーズン前半の様子はこちら

 

6月16日、シーズン後半の第1戦目(第5節)はアウェイで迎えた対San Diego SeaLions戦。San Diego SeaLionsは前期の4試合で勝ちがなく、更にSDパルセイロには初戦で負けている為、リベンジに燃える相手との直接対決となった。激しい攻防が繰り返される中、1点を先制されたもののSDパルセイロは#6 Mary Reilly (カリフォルニア大学サンディエゴ校) が1点を取り返し [動画]、結果は1-1の引き分けで、どうにか黒星を避けることが出来た。「試合の内容としては良く、チーム全体として進歩していくのを感じる。全員がチームとして練習し試合に臨んでいることがこの試合内容につながっていると思う。」と#1 Kate Hart (サンディエゴ州立大学) は試合後に述べた。[フルマッチ動画]

6月23日: Phoenix Del Sol戦 - 2得点 #8 Chloe Frisch
6月23日: Phoenix Del Sol戦 - 2得点 #8 Chloe Frisch

 

シーズン後期にはアリゾナ勢がサンディエゴ遠征を行い、2日間で2試合を終えていく彼らにとって過酷なスケジュールが敢行され、6月23日、シーズンのホーム第2戦目(第6節)としてPhoenix Del Solを迎えた。アウェイ戦では0-1で負けている相手ともあり、気合十分で試合へ挑んだ。試合は終始SDパルセイロペースで進み、気が付けば4-0という快勝で試合を終え、今シーズン2勝目を挙げた。[全ゴール動画]

試合後に#8 Chloe Frisch (サンディエゴ州立大学) は語った。「私たちは良いメンタルで試合に臨むことが出来た。その結果が今日の試合内容に繋がり、勝つべくして勝ったと思う。」[フルマッチ動画]

 

そして次の日の6月24日に行われたFC Tucsonとのホーム戦。この試合、勝てばプレーオフ進出が決まるFC Tucsonと、勝てばプレーオフ進出への望みへ繋がるSDパルセイロの、両チームともに勝ちを譲れない白熱した試合が展開された。前半に1点を決められると、そのまま1点をリードされたまま後半へ突入。後半開始直後、SDパルセイロはPKのチャンスを獲得。それを#16 Natalie Saddic (カリフォルニア大学サンディエゴ校) が落ち着いて決め、試合を振り出しに戻したが、それから両チームともに得点はなく、ロスタイムを迎えることとなった。どうしても勝たなくてはいけないSDパルセイロは、ロスタイムにコーナーキックのチャンスを得るとキーパー以外の選手を全員前線へ上げ、最後のパワープレーでの賭けに出た。しかし、その賭けは得点には結びつかず、更に相手のカウンターのチャンスを生み、そのカウンターから相手チームが得点し、直後に試合終了。最後まで勝ちにこだわった試合であったが、惜しくも1-2の惜敗となり、これと同時にFC Tucsonのプレーオフ進出が決定した。「序盤は流れが悪く苦しんだが、後半の頭にはペースを取り戻し良く戦えたと思う。ロスタイムのパワープレーは勝たなくてはいけない状況で勝ち点を取りにいった結果なので、カウンターで失点をしたが後悔はしていない。」と#12 Amy Schwartz (カリフォルニア大学サンディエゴ校) は語った。

6月30日: LA Galaxy San Diego戦 - #3 Kelsey Irwin
6月30日: LA Galaxy San Diego戦 - #3 Kelsey Irwin

 

明くる6月30日、シーズン最終戦としてホームで迎えたLA Galaxy San Diegoとの一戦。両チームともにプレーオフ進出は叶わないが、来年度に向けて勝利でシーズンを終えたいという思いは両チーム共に強かった。

前半7分、左サイドからの#21 Amber Huff (カリフォルニア大学アーバイン校) のロングスローに#13 Gianna Montini (オーバーン大学) がヘディングで合わせ、先制したのはSDパルセイロ。しかし、その後、12分、23分、30分と立て続けに反撃を喰らい、連続の失点を喫した。42分、ゴール前の混雑した状況からSDパルセイロがボールをゴールに押し込み、1点差でなんとか食らいつきながら前半を終えた。

後半は粘るものの、ずるずると相手ペースに飲まれ、3点の追加点を許してしまい、結果は2-6となり、シーズンを敗戦で締めくくる事となってしまった。#3 Kelsey Irwin (バージニア工科大学) は「結果には全く満足していないが、このシーズンを通して学んだことはたくさんあったので、今後の伸びしろとしてこの結果は真摯に受け止めている。来年、このチームに今よりも選手としてのクオリティーを上げ戻ってきてチームを強くしていきたい。」と述べた。[フルマッチ動画]

 

シーズン8試合を終え、結果は2勝5敗1分、4位でシーズンを終える事となった。カンファレンス順位表は以下の通りとなる。

このSDパルセイロが今後、女子サッカー選手たちのステップアップの場となっていくことは間違いない。現に、フランスのプロとの契約に漕ぎ着けた選手、スウェーデン3部でのプレーを予定している選手など、海外にステップアップしていく選手達がいるからである。

更に、日本人選手がアメリカでプレーする機会を得られやすいこともまたSDパルセイロの特筆すべき有利な点である。WPSLシーズンが3ヶ月間という短い期間である為、ビザ免除でのアメリカ滞在でチームに合流する事が可能であり、短期間でアメリカ大学のトップレベルのサッカーに触れることが出来るので日本人選手にとってはスキルアップの為の絶好の機会となる。

今後もアメリカ人選手と日本人選手がこのSDパルセイロを経て、人として成長し、日本、アメリカ、世界各国へ選手キャリアを伸ばしていけるようなきっかけ作りをする事が我々に課せられた使命である

 

皆様、沢山の応援ありがとうございました。

今後ともサンディエゴ・パルセイロ・レディースをどうぞ宜しくお願い致します。